一粒万倍日と書かれている日付が違う?算出方法と考え方

暦と季節
一粒万倍日

宝くじ売り場で【本日、一粒万倍日】と書かれたのぼりが掲げられていたり、手帳やカレンダーに吉日として書き込まれているのを目にしたことがあるかたも多いと思います。

なんとなくよい日と知っているこの一粒万倍日とはいったいどんな日なのか、実際にどんなことをするとよい、または避けるべきことを書いてみました。

一粒万倍日ってなに?

一粒万倍日はこの日に行ったことが、多くの実を結びよい結果となるという吉日です。

一粒万倍とは稲のことで、一粒のモミもまいておけば、万倍のモミをもった稲穂になることを表しています。もともと暦の世界と農業というのは縁が深く、農作物が豊作であることを祈り吉日を選んで行動するということはよくあったことなのです。

昔は今のように、天候の予測ができるIT技術や機械技術もなかったため、天に祈ることが大切にされてきたのでしょう。

そして実際の種まきだけではなく、何事をするのにもその成功を願って事を始めるときにも使われてきました。

いつから広まったのか?

宣明暦時代には、地方各地で暦が刷られていました。そのうちの伊勢暦、大経師暦、南都暦、会津暦などの暦注に【万倍】という文字で記録が残っています。

ただし必ず記載されたわけでもなく、その算出方法はさまざまにあったので当時は暦により記載されていた日付が異なっていました。

また江戸時代に渋川春海により編成された貞享暦には除外されていて、古い歴史的にはその価値はまちまちだったのではないかといえます。

明治に入り、グレゴリオ暦へ改暦となった際に六曜とともに民間で人気となった暦であり、その意味のわかりやすさと不規則なリズムから、現在も宝くじ売り場や多くのカレンダーに記載がされています。

算出方法は?

算出方法は歴史的にみるとさまざまにありましたが、現在は二十四節季と干支により導かれているものが多く使われています。

ただし、本やカレンダーによっては一か月くぎりと干支の組み合わせを使用していたり、季節と干支の組み合わせを使用していたりと様々です。

例えば、Wikipediaで調べてみると記載されている算出方法は旧暦上の月と干支の組み合わせです。

子月子日・亥日
丑月子日・卯日
寅月丑日・午日
卯月寅日・酉日
辰月子日・卯日
巳月卯日・辰日
午月巳日・午日
未月午日・酉日
申月子日・未日
酉月卯日・申日
戌月午日・酉日
亥月酉日・戌日
Wikipediaより引用

今現在この算出方法で記載しているものは少ないとは思いますが、この理由としては先ほど記載したとおりに、地方暦ごとに算出方法が異なり統一されていなかったからといえるでしょう。

現在多くのカレンダーや運勢暦による算出方法をもとに考えられているものがほとんどだと思います。

立春 ~ 啓蟄前日丑・午
啓蟄 ~ 清明前日酉・寅
清明 ~ 立夏前日子・卯
立夏 ~ 芒種前日卯・辰
芒種 ~ 小暑前日巳・午
小暑 ~ 立秋前日酉・午
立秋 ~ 白露前日子・未
白露 ~ 寒露前日卯・申
寒露 ~ 立冬前日酉・午
立冬 ~ 大雪前日酉・戌
大雪 ~ 小寒前日亥・子
小寒 ~ 立春前日卯・子

ちなみに昔の伊勢暦の算出方法はこちら

正月
二月
三月
四月
五月
六月
七月
八月
九月
十月
十一月
十二月

これだけ算出方法があると何が正しいのか、どれを信じるべきなのか迷ってしまうかもしれません。また「こっちの手帳には一粒万倍日って書いてあるけれど、ほかの手帳には書いていない!」という場面に遭遇するかもしれません。

そんなときには、ひとつにしか書いていないほうはあえて吉日としてとらず、共に記載がある日を選択することをお勧めします。

一粒万倍日は一か月に5回程度、季節と干支に基づいて巡ってきます。あせらず安心できる日柄を選ぶようにしてみてください。

開運アクションは?

一粒万倍日は、“この日から始めること”がよい吉日とされます。

ただ何もせずよいことが起きる日ではないのですね。特に以下のような行動が開運に導かれると言われています。

・新しいことを始めること

・開店、開業

学びを始める

・お金を納めること

・宝くじを買うこと

結婚式やお祝い事もよいかと思いますが、どちらかというと “結果を求めていること” を行動することに適していると考えられます。

なので、自分自身が行動をし努力をした結果、たくさんの売上や評価がほしいことや、知識を得たいことなどがおすすめのアクションです。

重要なのはまず自分でこの日に1歩進めること。種をまく行動が伴わなければ実は結びません。

控えたほうがいいこと

そして一粒万倍日には控えたほうがいいことがあります。

それは借しをつくること。具体的には借金をする・ローンを組むということです。これはその借りをもが万倍となって、借金が膨らんでしまうと考えられ避けるべきと言われています。

お金を借りて事業を始める場合は、この日ではなく投資したものが再びかえってくると言われる寅の日や金運財運アップにご縁が深い巳の日などを検討してください。

またこの一粒万倍日には暦上、何事も慎重になり新しいことは控えるべきお日柄である不成就日が重なる場合があります。この場合は一粒万倍日のよい効果が不成就日で打ち消されるので、このようなお日柄も行動をおこすには避けたほうが良いでしょう。

不成就日については以下の記事でまとめています。不成就日と一粒万倍日が重なるお日柄も一覧にしているので参考にしてみてください。

一般的なカレンダーや手帳には不成就日を加味されていない場合が多いです。

なおよく吉日と言われる大安や、仏滅などは六曜といわれるものですが、こちらは正式な暦では歴史が浅いもので信憑性があまりなく、気にならなければ深く考えなくてもよいと考えています。

まとめ

一粒万倍日はご自身の行動がよりよい結果に結びつくことを願える吉日です。

例えば、何か始めたいけれど勇気がでないとき・・暦を味方にしてみてはいかがでしょうか。

きっと気持ちよく物事をスタートできるはずです。

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