二十四節季という季節の捉え方があります。1年を24に分けて、季節を味わう考え方です。日本には四季がありそれはそれで季節の移ろいが感じられよいところですが、昔のひとたちは季節をもっと細かく観察し、大切にしてきました。
その背景には、今のようにネットや映画などのエンターテインメントがなく、楽しむことと言えば季節のことぐらいだったのかもしれません。ですが、私たちも季節は同じようにいつもそばにあり、感じる心があれば24の季節をそれぞれ味わうことができるのです。
日本に生まれ、日本に暮らし、いまも変わらない季節があること。二十四節季は旧暦で、実際の季節とは少しずれたりしていますがそこもまた味。現代流に私たちが感じ、楽しめる二十四節季に大切にしたいことを書き綴ってみたいと思います。
夏|小暑
ひとつの季節は干支により節という区切りがあり、約15日間です。
約と書いたのはこれも節入り、という時間が細かく決まっていて(二十四節季は太陽の角度により導かれたもの)たとえば今年2023年であれば7月7日17時31分から7月23日10時49分までが小暑となります。そんな小暑に大切にしてみたいことを2つ書いてみました。
1|小さな夏を探してみる
小さな暑さと書いて“小暑”ですが、もうすでにアツアツの夏本番を感じる日もいくつか。徐々に感じる夏、とは程遠く一気に気温が高まり夏が続くように思いますが、よくよく観察してみると同じ夏でも移り変わりがあります。
この季節にやってみたいことは、“夏の始まり”、小さな夏を探すこと。私は、あさがおのプランターが花づくのを見ると“夏が来ている”と実感します。
それだけではなく、日中、洗濯物がカラッカラに乾き、夜にはまだ涼しい風が吹く日があるとうれしくなります。小さな秋、は歌でもありますが、今年は小さな夏も探してみませんか?
2|内側を労わってすごす
五行思想のなかで、夏の季節気を付けたい五臓は“おなか”です。夏だから体力つけなくては!とたくさん食べてしまうと胃に負担がかかります。また冷たいものが一気においしく感じるこの季節。ビール、アイス、かき氷、冷たい飲み物…。意外と体の内側は冷え切っているもの。
特にこの季節の後半(2023年は7月20日から)には夏土用という季節に入ります。体をゆっくりと夏から秋へ整えていくときですが季節の変わり目のため、体の不調もでてきやすいとき。この時期に胃の負担が重く感じ、消化不良や食欲低下として症状がでる、トイレが近くなり気が流れヘロヘロになってしまうかたも少なくないのです。
この季節は特に自分の内側、特に内臓をいたわって過ごすことがおすすめ。たくさん食べる!より必要なエネルギーはなにかな?と体の声をきいてみてください。また温かい緑茶も体に合う方はぜひ。苦みは、夏に適した五味(味覚)。おいしい緑茶を準備しておくと気持ちも高まるかもしれません。
それからおなかのうえに手をあてて、毎日温度をじっくり感じてみるということもおススメです。おなかが冷えていることは意外と気が付きにくいもの。ですが手をあててみるとすぐに冷たいか、あたたかいかその温度を感じることができます。
今日の調子はどう?と声をかけてあげながら、ゆっくり無理せず、いたわって過ごしたいものです。