二十四節季という季節の捉え方があります。1年を24に分けて、季節を味わう考え方です。日本には四季がありそれはそれで季節の移ろいが感じられよいところですが、昔のひとたちは季節をもっと細かく観察し、大切にしてきました。
その背景には、今のようにネットや映画などのエンターテインメントがなく、楽しむことと言えば季節のことぐらいだったのかもしれません。ですが、私たちも季節は同じようにいつもそばにあり、感じる心があれば24の季節をそれぞれ味わうことができるのです。
日本に生まれ、日本に暮らし、いまも変わらない季節があること。二十四節季は旧暦で、実際の季節とは少しずれたりしていますがそこもまた味。現代流に私たちが感じ、楽しめる二十四節季に大切にしたいことを書き綴ってみたいと思います。
秋|霜降
ひとつの季節は干支により節という区切りがあり、約15日間です。
約と書いたのはこれも節入り、という時間が細かく決まっていて(二十四節季は太陽の角度により導かれたもの)たとえば今年2023年であれば10月24日1時21分から11月8日1時35分までが霜降となります。そんな霜降にしてみたいことを2つ書いてみました。
1|秋の味覚を存分に楽しむ
二十四節季では、次の季節“立冬”から冬が始まります。ということは、この“霜降”が秋の最後の季節となります。ただ、今年は体感的にまだまだ日中は半そででも大丈夫なくらい暑い日もあり、秋らしさというのは感じにくいのかもしれません。
そんななかでも、“秋”を感じやすいのは“食”でしょう。お芋やきのこなどの野菜やぶどうや梨などのフルーツ、新米や鮭、さんまなど秋らしさを感じる食材は豊富です。今では季節を関係なしに、いろんなものが食べられるときですが秋は旬を意識して食べるものを選びたいところです。
旬は体にもちょうどいい塩梅の栄養を届けてくれるもの。毎日の献立に“秋らしさ”を取り入れてみたい季節です。
2|暗さを感じる
日照時間が短くなり、夜を感じるのが早くなっています。焦りも感じやすいタイミングですが、せっかくだったら秋の夜長を楽しみたいとき。いつでも電気やスマホがあり、部屋のなかでは明るいですがたまにはゆっくり夜の暗さを味わいたい季節。
ここから冬にむけて忙しくなる人も少なくないでしょう。その前に、夜時間にキャンドルをたいたり、瞑想をしたり、音楽を楽しんでみたり。ちょうど土用期間中でもあるのでご自身の心と体を整える陰の時間をギフトとして与えてみてはいかがでしょうか?