二十四節季という季節の捉え方があります。1年を24に分けて、季節を味わう考え方です。日本には四季がありそれはそれで季節の移ろいが感じられよいところですが、昔のひとたちは季節をもっと細かく観察し、大切にしてきました。
その背景には、今のようにネットや映画などのエンターテインメントがなく、楽しむことと言えば季節のことぐらいだったのかもしれません。ですが、私たちも季節は同じようにいつもそばにあり、感じる心があれば24の季節をそれぞれ味わうことができるのです。
日本に生まれ、日本に暮らし、いまも変わらない季節があること。二十四節季は旧暦で、実際の季節とは少しずれたりしていますがそこもまた味。現代流に私たちが感じ、楽しめる二十四節季に大切にしたいことを書き綴ってみたいと思います。
夏|立夏
二十四節季にはそれぞれの四季の入口を、はじまりという意味がある“立”で表現します。夏の始まりは【立夏(りっか)】。春が終焉を迎え、夏の兆しを感じられるとき。ひとつの季節は干支により節という区切りがあり、約15日間です。
約と書いたのはこれも節入り、という時間が細かく決まっていて(二十四節季は太陽の角度により導かれたもの)たとえば今年2023年であれば5月6日3時19分から5月21日16時08分までが立夏となります。そんな立夏に大切にしてみたいことを2つ書いてみました。
1|意識して、思いっきり笑う
清々しい季節です。少しずつ風も暖かくなり、いい陽気を感じられるとき。春土用も終わり、軽やかさを大切に夏を楽しみたいときです。ここから二十四節季の立秋(今年は8月8日)まで暦では“夏”を少しずつ深めていきます。ちょうど、真夏の暑さのピークを越えていくその入り口。
ということは、今気持ちに少し余裕があるうちに“気力”をつけておきたいところ。体力をつけるというのはもちろん大切ですが、短期間ではなかなか難しいところもあります。。。そんな中、すぐできる“気力”をつける方法が“思いっきり笑う”ということ。
最近、お腹や顔が痛くなるまで笑いましたか?最後に、涙がでるほど、おかしくて、もう笑いたくない!と思ってしまうほどのことに巡り合ったのはいつでしょうか?このきゃきゃっと笑って過ごしている様を“無邪気”とも言う通り、笑うことは最大の邪気払いであり気力をつける開運アクションなのです。
ただ大人になるとなかなか無邪気に笑うだけではいられないことも事実。やらねばならないことや、予定をこなすだけで精一杯になったり、自然と眉間にしわが寄ってしまいがち。だからこそ、“意識して”この立夏では思いっきり、“笑う”を取り入れてほしいのです。
今日は笑うぞ!と決めてすごすだけでなんとなく楽しいものです。そのために親しい友人と食事をする予定をつくって過去に思いっきり笑った出来事を思い出してみたり、家族や仲間と笑えるリズムとりゲームをしようと計画したり。(どんなゲームがあるかな?とネットで調べたりするだけでちょっと笑えます(笑))思いっきり笑うことですっきりして自然と力がついたら最高な夏の始まりでしょう。
2|野草を楽しむ
この時期、もうひとつ楽しみたいのが草花。花が美しい季節ですが、立夏に注目したいのは自然に生じている野草。タンポポやシロツメクサなどどこか懐かしさを含む野草が花を咲かせています。
それだけではなく、カタバミやハルジオン、珍しいものだとウマノアシガタなど、道端になじみがある野草が色とりどりに力強く咲いています。こんなところにも?と驚くばかり、コンクリートの割れ目や垣根の間にものんびりと自由に咲く花に、いつもたくましさと美しさを学んでいます。
ただ不思議なことにそのたくましい野草たちを、家につんできて花瓶の水にさしてもすぐにしなびてしまいます。小さいとき大切につんだタンポポやシロツメクサがすぐにしゅんとしてしまったことを覚えている方も少なくないでしょう。
野草たちは広い大地、自然の中で生きている、私たちもそれは同じことを深く感じられるときです。私たちがコントロールできることなんて、ごくわずかな範囲。それと同時にどんな場でも堂々と自分らしく咲く自由もあるということ。そんなことを感じながら、生きている、生かされている喜びを感じ、大地に根付き、たくましく進みたい季節なのです。
清々しい季節になにを感じるか。いいときほど、自分自身の心と体と向き合い整えておきたいときでもあります。深く深呼吸して、夏という次のステージをじっくり味わっていきましょう。