二十四節季という季節の捉え方があります。1年を24に分けて、季節を味わう考え方です。日本には四季がありそれはそれで季節の移ろいが感じられよいところですが、昔のひとたちは季節をもっと細かく観察し、大切にしてきました。
その背景には、今のようにネットや映画などのエンターテインメントがなく、楽しむことと言えば季節のことぐらいだったのかもしれません。ですが、私たちも季節は同じようにいつもそばにあり、感じる心があれば24の季節をそれぞれ味わうことができるのです。
日本に生まれ、日本に暮らし、いまも変わらない季節があること。二十四節季は旧暦で、実際の季節とは少しずれたりしていますがそこもまた味。現代流に私たちが感じ、楽しめる二十四節季に大切にしたいことを書き綴ってみたいと思います。
冬|小寒
ひとつの季節は干支により節という区切りがあり、約15日間です。
約と書いたのはこれも節入り、という時間が細かく決まっていて(二十四節季は太陽の角度により導かれたもの)たとえば2025年であれば1月5日11時33分から2025年1月19日までが小寒となります。そんな小寒にしてみたいことを2つ書いてみました。
1|寒の入りを楽しむ
「寒の入り」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。この「寒の入り」は、二十四節気のひとつである小寒(しょうかん)から始まります。この時期は、寒さが一層厳しくなり、空気や水も冷え込む季節の変化を感じられる頃です。
昔の人が見つけた寒さの魅力
寒いというのは一見ネガティブに感じられるものですが、昔の人々はこの寒さを上手に活かして、味噌や醤油の仕込みを行っていました。冷たく澄んだ空気と水が、発酵に理想的な環境を作り出すためです。このような知恵が受け継がれ、現在も日本の伝統として残っています。
日常の中で寒さを感じる瞬間
寒い季節になると、家の水道水もお湯に変わるまで時間がかかることがあります。その冷たさに少しだけ触れてみると、季節の移ろいを肌で感じられるかもしれません。小寒は、そんな「冷たさ」に触れる絶好のタイミングです。
小寒ならではの楽しみ方
寒さを活かして楽しむ伝統のひとつに、「寒天づくり」があります。小寒から大寒にかけて、寒い外気を使いながら作る寒天は、自然の力を活かした保存食の代表例です。自宅で試してみるのも良いでしょう。
寒天作りに挑戦するだけでなく、味噌や醤油の仕込みを始めたり、冷たい空気を利用した料理やアクティビティに取り組むのもおすすめ。この寒い時期ならではの「冷たさ」を、ちょっとだけ前向きに楽しんでみて。
寒さを厳しいものと捉えるだけでなく、その特性を活かして豊かに暮らす日本の知恵に触れてみたいもの。このような季節の楽しみ方を取り入れることで、冬の寒さがより身近で愛おしいものになるはずです。